アイツの声を聞くのは
初めてだったということに気付く
いくらハルちゃんに話を聞いても
当たり前のことだけど
声まで知ることはできない
低く通るその声が
あたしの耳を熱くする
顔なんて見ることができるわけもなく
カラオケのモニターを見ながら喋った
「笹川と橋本、嫌いなんだ」
そう言うと
アイツは笑った
「わかる」
そんなことを言うから
思わず顔を見てしまった
いたずらに笑う目と視線が交わり
心臓が跳ねる
至近距離で見るアイツの斜め横顔は
悔しいくらいに男前だ
だからあたしは
意地悪に言う
「それ、笹川達が聞いたら泣くよ」
「だね。内緒にしといてよ」
そう言って笑うアイツを見て思った
福岡潤は
いいヤツだって


