【完】晴 時々 雨




「ハルちゃ~ん。今日カラオケ行かない?

麻由ちゃんも」



ほとんど話したこともない

クラスメイトのギャル二人が

ニヤニヤしながらそう言ってきた目的は

すぐにわかった



アイツの親友である谷君の彼女を利用して

近付こうとするだなんてあからさまなやり方

ある意味気持ちが良いくらいだ



猫なで声で

“麻由ちゃん”なんて呼ばれたのは

さすがに背筋が凍ったけれど



そのあり得ないイベントが開催されたのは

アイツがハルちゃんを思う気遣いからだった



アイツはもしかすると

ハルちゃんに惚れているのかもしれない