「だから…

こんなの身勝手だって思ってるんだけど、

アイツがいるのに

相沢なんかに揺らいでるハルちゃんに

…むかついた」



罰の悪そうに

笑う麻由子



でも

その言葉が

胸に痛かった



本当は

笑ってなんか言えないって

わかったから



麻由子の気遣いが

痛々しくて

わたしは笑えなかった



「むかついたから、

もう相沢にすればって

仕向けたの、気付いてた?」



「…えっ!?」



仕向けた?



あ…



『相沢ってハルちゃん狙ってんじゃない?』



そんなこと

何回も言ってた



おかげでわたしは

相沢くんのこと

意識したりして



大変だったんだから!



「もー!麻由子のバカっ」



「ハルちゃんがフラフラしてるから悪い」



そして

目が合って



麻由子が

少し

すっきりした顔をしてて



ずっと言えずに

苦しかったんだってわかった