「な…で…言ってくれなかったの?」
わたしは
そんな間抜けなことしか聞けず
ますます自分が嫌になる
麻由子は
乱暴に涙をぬぐって
わたしをにらみつけた
「よくそんなこと言えるね!!
福岡潤はハルちゃんのこと好きだって…
気付いてないなんて言わせないから!!」
潤が
わたしを…?
そんなこと
考えたことなかった
ううん
本当は
考えないようにしてた
気付けばいつも
潤はわたしの傍にいた
落ち込んだ時は冗談を言って笑わせてくれた
辛い時は抱きしめてくれた
ずっと大事にしてくれた
きっと
わたしが立ち直るのを
これからも
傍で見守って
ずっと
待っていてくれようとしていた
もう
失ってしまったけれど
潤は
最後まで
わたしの傍にいてくれた
それを
気付かないふりをして
そして
知らないところで
麻由子を傷付けてしまったなんて
わたし
なんてこと
してしまったんだろう


