一緒にゼリーを食べている間は 「おいしいね」 「うん」 とか言う以外は終始無言で なんだか息苦しかった 麻由子 どうしたの? 何かあった? 「あのさ…」 からになったプラスチック容器を置いて 麻由子が口を開いた なんだか 緊張する 「うん」 わたしも容器を置こうとした その瞬間 「…聞いた。福岡潤から」 その言葉に わたしの手からは まだ半分くらい入っているゼリーのカップが するりとこぼれ落ち 滑り出したゼリーが カーペットの上で 無惨につぶれた