心臓が

きゅっと縮み上がった



潤が

離れていく



そのことだけは

わかった



今の一言で

潤は

わたしの前から

いなくなるんだ



そのことに

恐怖さえ覚えて



「や…だ…」



反射的に

既に教室から出ようとしていた潤の背中を

よろめく足で追いかける



優しくしてくれるなら

誰でもよかった?



確かにわたしは

みんなの優しさに甘えすぎた



でも今わかった



潤がいなくなろうとして

ようやくわかった



わたしが

潤という存在に

どれだけ支えられていたか



優しくしてくれるなら

誰でもよかった



きっと誰にでも

甘えてた



でも

そのことで

潤を失うなら



わたしは

他のどんな優しさも

いらない



「じゅ…やだぁ!行かないで!!」



けれど

潤は

行ってしまった



「潤!潤!…潤!!」



何度も

何度も

呼んだのに