麻由子とじゃれ合いながら
教室に入ろうとすると
「ハルちゃん、前」
麻由子が言った瞬間
「え?…わっ」
ドンッ
体の左半分に衝撃が走った
最初
何が起こったかわからなかったけど
「ごめん、大丈夫?」
また
あの優しい声が聞こえて
「あ…相沢くん!ごめん!」
相沢くんに
思いっきり体当たりしてしまったらしい
「大丈夫?
どっか痛くしなかった?
腕とか…」
大事な
野球部のエースなのに
「おいおい、俺は毎日鍛えてるんだよ?
キミごときに俺の腕を折ることなんてできないさ」
わざとおどけた口調で
わたしを安心させてくれようとしてる
本当に優しいんだなって思う
「ほんと、ごめんね」
わたしはもう一度謝って
先に教室に入っていた麻由子に続いた
クラスメイトの視線は
相変わらず冷たかった


