「それがえらい的確だって、父さん驚いてた」

「…父さん聞き流してるかと思ってたよ」

父は家だと仕事の話は一切しない。

「家庭には仕事を持ち込まない人だからな」

「だから僕は父さんが仕事の話をしやすいように…」

達郎なりに気を使って、自ら推理を披露していたのだった。

「父さんが出張から戻るの今日だろ?事件のこと話してやれよ」

「それは…」

何か言いかけて、達郎は思った。

父の反応は確かに気になる。

「それに兄さんも彼女のことを話さなきゃいけないしね」

「それはまぁ…なんだ」

秀昭は咳払いした。

「しかしあれだな達郎。お前、父さんに刑事になれって言われるかもな」

「僕が?」

「事件解決させたんだ、言ってもおかしくないだろう?」

「そりゃそうだけど…」