達郎はそんな由美を(大げさに言えば)恐ろしく思うと同時に、好ましく思えるようにもなった。

「事件の話はもういいかしら?」

由美はそう言うと大きく伸びをした。

「あたしおなか空いちゃった。おごってくれない?」

由美はそう言って公園の池近くを指した。

そこにはホットドックとクレープのケータリング車が、1台ずつ停まっていた。

達郎は腕時計を見た。

時計の針は昼近くを指していた。