「あ、もうチャイムだ」
懐かしい記憶から呼び起こされて気づけば、煙草はすっかり終わっていた。
部室に隠してある携帯灰皿に吸殻を押しこみ、先程床に捨てたやつも拾っておく。
「サンキュ」
何も言わずに携帯灰皿を差し出すと、彼女もその煙草を突っ込む。
「時間あっとゆうまだったな。じゃ、また」
そしてそれだけ言いながら、口の端で笑って立ち上がる。
授業をサボったことも、煙草を吸ったことも。
恋人でもない奴とセックスしたことも。
そのどれもに、罪悪感なんて微塵も感じていない表情で。
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