反応のない俺に、彼女は小さく息を漏らす。

「何、私じゃ勃たなくなった?」

「らしいな」

「そっか。でも私はしたいから、その気にさせるよ?」


俺の顔を下から覗き込むように。

挑発的な目で、赤い舌を覗かせて。

這う指先に、近づく太腿。



そのとき込み上げてきたものは。

「誰でもいいなら、俺以外とヤッて来いよ」

嘲りにも似た、笑いだった。


「今なら生物の先生、暇だろ」

ちっとも楽しくない、乾いた笑い。


「ああ、見た……聞こえた?」

だけどその笑いに彼女は、更なる笑みで応えてくる。

「やっぱり雨の日はサボるのあそこなんだ」

まるでちょっとした悪戯が見つかった子どものように。

寧ろ少し誇らしげにすら見える雰囲気で。