「やっ……せんせっ、あっ……」


耳に届いた声に呼吸を忘れた。

遅れて届いた男の声はすぐに消えたのに。


時折漏れる声と、声にならない吐息が、脳を襲う。


「ん、気持ち……イイ……」


ついこの間、聞いた声。

だけどどこか決定的に違う声。


何をしてるのかぐらい容易に想像がつく。

元々あいつは、そういう噂もちらほら聞く女だ。



そう、わかっていた筈。


自分だって彼女にとっては他と大差ない存在だということぐらい。