正直、その通り教室を出て行くのは嫌だった。
嫉妬? 軽蔑?
何か知らないが、とにかく有坂の言葉通りに動く自分を想像して嫌悪感を抱いていた。
だがそれをも冷静に見ているもうひとりの自分がいて。
これ以上ここにいて、嫌な気持ちに侵されてゆくより。
さっさと視界からこいつを消してしまった方が良いのではないかと考えていた。
「……わりぃな」
ポケットに入っていた煙草の箱が、くしゃりと音を立てた気がした。
結局勝ったのは冷静な自分で。
いや単純に煙草への欲求に耐えられなかっただけかもしれないが。
俺はほぼ全員が揃いつつある教室のドアをくぐった。
嫉妬? 軽蔑?
何か知らないが、とにかく有坂の言葉通りに動く自分を想像して嫌悪感を抱いていた。
だがそれをも冷静に見ているもうひとりの自分がいて。
これ以上ここにいて、嫌な気持ちに侵されてゆくより。
さっさと視界からこいつを消してしまった方が良いのではないかと考えていた。
「……わりぃな」
ポケットに入っていた煙草の箱が、くしゃりと音を立てた気がした。
結局勝ったのは冷静な自分で。
いや単純に煙草への欲求に耐えられなかっただけかもしれないが。
俺はほぼ全員が揃いつつある教室のドアをくぐった。



