「ふぅん…」

カミヤは珍しい物でも見るような眼で、オレをジロジロ見てくる。

和の美少年に見つめられると、居心地悪いことこの上ない。

「あっ後オレには同性を恋愛対象にはしないから」

そう言うと、吊り上ったカミヤの眼が僅かに下がった。

やっぱりタカオミとのことを誤解され始めていたか!

「ちなみに今までの生き方も、平凡で普通で地味だから」

「それでも遺伝子はあるんだろう?」

「あったって、覚醒はさせない。―オレは普通の人間として、この街で生きていくことを決めたんだ」

「ムダだと思うけどな」

カミヤはあっさりと否定した。

「この街に来たばかりの連中は、必ずそう言う。絶対に染まらない―と。でも一年も持たない。いろんな意味でな」

それは犯罪遺伝子の覚醒か、あるいは発狂か…どちらにしろ、ろくな末路は迎えていないだろう。

「お前だって、狂うか目覚めるかのどっちかだと思う」

「じゃあ期待を裏切ってやるよ。オレはオレのままで生きる」