まっ、オレも下手に刺激はしたくない。

転入初日はとりあえず様子見という感じで、終わった。

何事もなかったのは良いことなのか、悪いことなのか…。

オレは自分の部屋に戻り、私服に着替えてから一息ついた。

そこへ扉をノックする音が聞こえた。

「はい、どちらさま?」

「…カミヤ」

カミヤ? …って昨日、タカオミとベッドにいたあのカミヤ!?

どうしてオレの部屋に来るんだ?

パニックになるも、いつまでも外で待たせているわけにもいかない。

恐る恐る扉に近付き、開けた。

そこには確かに、昨日ベッドの上にいた人物が立っていた。

「あっ、えっと、何かな?」

体を半分、扉で隠しながら微笑んで見せる。

…微妙に固まっているだろうな。

「コレ」

ズイッと差し出してきたのは、四方形の箱。

よくお歳暮とかお中元の形のそれで、包み紙はピンクの花柄。

「…何、これ?」

「引っ越し祝い」