ようこそ! 魔破街へ

「そうなんだ」

棚には所狭しとパンが並んでいた。

「俺はいつものカツサンドにしよーっと」

コクヤはカツサンドとコーヒー牛乳を持って、レジに向かった。

レジは若い女性がいたが、コクヤを見ると青ざめ、震えながら仕事をこなした。

オレはコロッケパンとハムと卵のサンドイッチ、それにコーヒーを持ってレジに向かった。

カードを渡し、袋に入れてもらった。

「中庭で食べようか。今日は天気も良いし」

「ああ」

靴を履き替え、オレ達は中庭に出た。

中庭には樹や色とりどりの花が植えられていて、数人の人がいた。

しかしコクヤを見ると…逃げる。

オレ達は芝生の上の座り、食事を始めた。

「…驚かないんだね、サマナ」

「何が?」

「みんなが俺のこと見て、逃げることに」

「先に知っていたからな」

「誰に教えてもらった?」

「いろんな人」

「へぇ…」

コクヤは意味ありげに言って、カツサンドを頬張る。

「んっ、美味い。サマナも一口食べる?」