「ヤツの血縁者は代々、人の心を操って財や権力、名声なんかを集めてきた。だがその裏では人の心を踏みにじり、多くの犠牲者を出してきた。ゆえにコクヤの血縁者達はこの街に封印されているのさ」

「封印…」

確かに犯罪遺伝子を持つ者を集めて閉じ込めているのだから、封印しているとも言えるだろう。

「じゃあそのコクヤって人の親戚も、この街にはいるんですか?」

「まあな。でもヤツらはあまりに特殊だから、住んでいるのも街外れ。この街の住人達も、アイツらには関わろうとはしない」

シュリやサラの表情からは、真剣さのみ感じられる。

つまりそこまでヤバイ人だと言うことか。

「さて、そろそろ出るか。タバコ吸いたいしな」

暗い雰囲気を破る為か、シュリがタバコを吸う仕草をした。

三人とも食事は終わっていたので、席を立つことにした。

食堂を出る時、伝票と共にカードを渡した。

それがルールらしい。

ここで食べる物も買う物も全て管理されるのか。

慣れるまで、時間がかかりそうだ。