ようこそ! 魔破街へ

やっぱりサラって強いな。

…オレなんて絶叫を上げながら逃げたのに。

サラに引っ張られながら、ロビーに入る。

すると一人の美女が、こちらに気付いてやってきた。

グラマラスな体つきに、長い髪をアップにまとめ、メガネをかけている。

美女はオレとサラを見て、眼を細めた。

「お帰り、サラ。そのコはサマナか?」

「ええ。シュリ、今夜の食事、彼も一緒で良い?」

シュリというのか、この女性は。

女性に見つめられたので、オレは頭を下げた。

「はじめまして、サマナと言います。これからお世話になります」

「ほお。久しぶりにまともな礼儀を知っているヤツに会ったな」

…何だかデジャブを感じるぞ、この反応。

「さっきの絶叫は凄かったな。お前、足早いな」

ニヤニヤと笑いながら言うのだから、オレが逃げた理由を知っているんだろう。

「…咄嗟のことだったので」

「免疫がないのか。清々しいほどに純粋だな」