「サマナだったら大丈夫! 安全な人だから」

そういう認識のされ方はちょっとと思うけど、サラがあんまり楽しそうに言うから、何も言えなくなってしまう。

その後、サラと手を繋ぎながら女子寮の前まで来た。

「とりあえずロビーまでは男女どっちの寮でも行き来できるわ。エレベータや階段には監視カメラがあって、流石に止められるけどね」

「そっか。だからサラはオレが逃げた理由を、イザヨイさんに調べさせたんだ」

「ええ。よりにもよってカミヤがいたなんてね。アイツ、見られてもふてぶてしかったでしょ?」

…確かに冷静だったけれど、何故それをサラが知っている?

表情で問うと、サラは肩を竦めた。

「タカオミとカミヤって、そういう仲なの。いわゆるセフレってヤツ? それでいて場所を気にしないタイプだから、厄介なのよね」

「…っ!」

一瞬気を失いかけたが、何とか精神力で立ち直る。

「そっそう…」

「あたしも何回かバッタリになっちゃって。いっくら怒っても懲りないというか、直らないというか」