「あら、大丈夫よ。あたしが強引に誘ったと言えば、誰も何も言わないわ」

得意げに胸を張るサラの姿を見て、昼間のイザヨイとタカオミの表情を思い出した。

どうやらサラに逆らえる人物はあまりいないみたいだ。

「それにこう言っちゃなんだけど、女子寮の寮生の方がまともなコは多いわよ。男子寮って別名・魔窟って言われているし」

「魔窟っ!?」

言葉はアレだが、…何となーく意味が理解できてしまうのが悲しい。

「そっ。この街でも特に変わったコが集まっているの。だからサマナも気を付けてね?」

「わっ分かった…」

とりあえずこの街を知る以前に、自分の身を守る方法を知る方が先かもしれない。

「あっ、何だったら女子寮に来る? こっちも空き部屋あるし、サマナだったら大歓迎されるわよ?」

「サラ~。それは流石に男子高校生としてカンベン」

「ふふっ、残念。それじゃあ夕飯だけでもね?」

「まっ、女子寮の管理人さんがOKしてくれるなら」