強い意志を込めて、オレは言った。

それは正直な気持ち。

どうせここから出ても、行くとこも住む所もない。

ましてや待ってくれている人も…いない。

なら強制的にとは言え、ここに住むのも構わないと思う。

まともじゃない分、退屈はしなさそうだ。

「あっありがとう、サマナ」

サラの眼が少し赤かった。

もしかしなくても、心配をかけてしまったか。

オレがこの街を去ってしまうかもしれないことと、…もしかしたら住人に何かされたかもしれないことを。

「あっ、でも寮には戻り辛いでしょう?」

「うっ…。まっまあね」

「良かったら女子寮で時間潰さない?」

「へっ? 女子寮で?」

それは流石に…と思っていると、サラはクスクス笑った。

「ロビーまでなら大丈夫なの。女子寮に顔見せするってことで、ね?」

「でも男子寮の寮生にもまだなのに、女子寮を先にしたらからかわれそう」