「お前の親父さんは、『犯罪遺伝子』を研究する会社で働いているんだよ!」

「…初耳でした」

…ああ、どうりで引っ越しが多いなと思ったケド。

「詳しくは言えないが、政府直属の部門だ。親父さんはそこの室長―言わばトップにいる。だからここへ来ることは免除されたんだ」

「でもオレは許されなかった、と…。…でも何で今頃なんですか? もっと早くても良かったのでは?」

「それは多分…親父さんが手放さなかったんだろう。ここへ来れば…」

ユメイはそこで言葉を止め、唇を噛んだ。

「…ああ。来ることは出来ても、出ることは出来ないんですね」

びくっとユメイの体が震えた。

…ウソのつけない人だ。