けれど彼は忽然と姿を消してしまった。

なので捜査は打ち切りになってしまった。

事件の捜査資料だけを残して―。

「…なるほど。ここまで大犯罪をやった先祖がいるなら、オレが眼を付けられてもしょうがないですね」

バサッと資料をちゃぶ台に投げた。

3人の血縁者達の被害者数を合わせると、それこそ300近い。

政府が眼を付けても、おかしくはないと思えてしまう。

「だけど…親父が免除された理由は? オレ1人だけで、政府は納得出来たんですか?」

「出来るも何も…。サマナ、お前、親父さんの職場のこと、何も聞いていないのか?」

ユメイがぎょっとした。

「…知りませんけど」

言われなかったし。