そして大陸を渡り、120年前。

…自分の血筋に、外国人がいたとは。

彼は小さな頃から、ナイフを愛していた。

自分の体を傷付け、その血を飲んでいた。

やがて…動物を傷付けるようになり、最後は人間を傷付け…食すようになった。

「うぇっ…」

想像して、口を押さえた。

「大丈夫か?」

「えっええ…」

書類を見続ける。

その被害者数―3ケタを越す、歴史上、類を見ないほどの大犯罪。

彼はしかし捕まらなかった。

捜査の手は、間近に迫っていた。