ムメイが眼をつり上げながら、面倒臭そうに言った。

「え~? 何で転校生の歓迎で、説教されないといけないんだよ?」

対するエンラは、不機嫌そのもの。

「歓迎は良いとして、やることがダメだ。花火は申告して、許可がおりたらいいって言われているだろう? お前、それを破って何度目だよ?」

「知らねーよ。んなの、いちいち覚えてられっか」

不貞腐れたエンラが、オレを見て、一度立ち止まる。

「おぉ! サマナ! オレ様の花火、どうだった?」

笑うと幼い印象だな。

オレに駆け寄ってくる姿を見ると、まるで弟ができた気分になる。

「うん、すっごくキレイだった」

だからオレもつい笑顔で返事をしてしまう。

「へへっ。だろう? お前の為に、急いで作ったんだ。でもちゃんと丁寧に作ってたら、こんな時間になっちまったけどな」

すでに時刻は夜の十時過ぎ。

寝ている人が多いだろうなぁ。

「でもサマナに見てもらえて良かった。寝てないかと心配だったんだ」