エンラは拡声器を片手に、笑顔で手をブンブン振っている。

「わっ悪いコではなさそうだね」

「バカではあるけど、まあ扱いやすいと思う」

確かに見た目も人なつっこそうで、明るそうだ。

「サマナー!」

「って、アンタ! いい加減になさいっ!」

 がつんっ

「あいたっ!」

「あっ、サラだ」

「流石は学級委員長。動きが早いね」

コクヤの言う通り、いつの間にかサラはオレの隣からいなくなっていた。

かと思えば、エンラの元へ行っていたのか。

「今、何時だと思っているのよ? そもそもこんな時間に花火を上げること、管理者達に報告はしてあるの?」

管理者達…!

それは母方の親戚たちのことだ。

いずれ、顔を合わすことになるだろうけど…どういう人達なんだろうな?

近くにはコクヤがいるけれど…コクヤと管理者達はあまり仲が良くなさそうだし。

後でタカオミかサラにでも聞いてみよう。

「歓迎に許可がいるかよ?」