ようこそ! 魔破街へ

「…なら普段は?」

「爆破、が多いわね」

…聞くんじゃなかった。

オレとサラの他にも、寮生や先生達が寮から出てきて、空を見上げた。

そしてサラと同じく、エンラの名前を口に出している。

「…ちょっと、何の騒ぎ?」

「あっ、コクヤ」

不機嫌な顔をしたコクヤまで出てきた。

「地下にまで音、響いてたよ。…コレ、エンラの仕業?」

「だってみんな言っている」

コクヤは空を見上げると、僅かに不機嫌さが緩んだ。

「コレ、サマナへの祝いじゃないの?」

「へっ? オレ?」

花火が祝いって…どういう意味だろう?

尋ねようとしたけれど、学校からスピーカーを通して声が響いてきた。

「サマナー! どうだ? オレ様の歓迎の花火は?」

「…ホラ、ね」

コクヤの口元が、歪んだ。

スピーカーからは、キンキンと少し甲高い男の子の声が聞こえてくる。

「でもオレ、エンラとはまだ接していないんだけど…」