ようこそ! 魔破街へ

「でも少しずつ、前に進んでいこう!」

まずはこの街に早く慣れることだ。

オレは深呼吸して、男子寮に入ろうとした…瞬間!

 ドッカーン

「うわっ!?」

 パンっパパーン

「へ? 花火?」

季節外れの花火が、上がっていた。

しかも上がっているのは、どうやら学校の校庭辺り…でも裏の方の校庭か。

「ちょっ…何なの?」

女子寮から、サラが飛び出す。

「サラ!」

「あっ、サマナ! この音…花火?」

サラは夜空を見上げ、大輪の花火を見て、口をポッカーンと開いた。

「この仕業は…エンラね」

「エンラ?」

サラは顔をしかめながら、花火を見上げた。

「エンラは同じクラスメートよ。彼は火を使う犯罪者の家系でね。こういう風な火遊びが大好きなの」

花火って…火遊び?

まあある意味、そうかもしれないけど…。

「でもキレイだね。季節外れだけど」

「…そうね。こういう風な火遊びならば、まあ大目に見ても良いかもだけど」