「でもサラに気に入られているのなら、大丈夫よ。きっと守ってくれるわ」

「アタシ達も見かけたら助けてあげる。サマナくん、良いコだもん」

ムツキとミツキの言葉に、少し心の中が温かくなった。

「ありがとう、二人とも」

「どういたしまして」

「アタシ達も猟奇殺人犯罪者の遺伝子の持ち主だし、強いからね!」

…ミツキの最後の言葉はいらなかったな。

「『アタシ達も』って言うことは、サラもそうなんだ?」

「サラから聞いてなかったの? 私達とはまた種類が違うけど、あのコも猟奇殺人の遺伝子を持っているわ。だから強いの」

ムツキの言葉に、昨日の出会いを思い出す。

確かに大人の男性の首を斧で切り飛ばすんだから、強いだろう。

「ちなみにタカオミはいわゆるアカサギってヤツ。知ってる?」

「いや」

「自分の美貌を活かして、相手からいろんなモノを奪うのよ。タカオミの先祖はかなりの美形だったらしく、世界まで裏で操っていたらしいわ」