「危ない!!」


目の前に電柱があったなんて、気付かなかった。

良平はまだ下を向いている私の肩を、片手で自分のほうに引き寄せた。


  ドキッ

 
今日だけで、この人に何回ドキドキされられただろう。


「ほら、電柱にぶつかりそうだったから・・・。」

「え、あ・・・。ごめんなさい。」



しばらく沈黙になったが、駅まではそう遠くなくて改札が見えてきた。