ショートボブの髪を1度だけブラッシングして、部屋を出る。


「お母さん、行ってきます。」

「はーい、行ってらっしゃい!」

少しの間があった後、母の声を聞いて玄関を後にした。





いつもとは逆方向の電車に乗り、2駅先で降りた。

約束しているのは、駅の南出口。

階段を下りながら携帯を開き、時間を確認する。

時刻は10分前で、キョロキョロと辺りを見回すが未央はまだ来ていないようだった。