私も、タケが1番話しやすかった。


けれど、心は決して開いていない。

はっきり言って、うわべだけ。

仕事の間だけ。

私から話すことは一切なかった。



平日の午前中は、コールボタンを押されることもほとんど無い。

私は1列の全体が見えるように、通路の真ん中でタケと立っていた。



その時、台移動をしている男性が目の前を通った。


一瞬だけ、目が合った。

髪の毛はブラウンで少し長く、横顔は男性なのにキレイという言葉がふさわしかった。