意を決して、私はゆっくりと顔を上げる。

少し緊張した面持ちの、良平の視線とぶつかった。


「良平くん・・・、違うの。」

私の小さな声に反応した良平。

聞き取りやすいように少しかがんで、私の正面に顔を近づけた。


「私が好きな人って言うのは・・・、良平くん・・・だから。すごく嬉しかったです。」

頑張って声を出したつもりだったが、思いのほか小さかったようで。

良平は自分の名前を言われたと理解するまで、少し時間がかかった。



「うそっ!マジで?じゃあ、付き合ってくれるってこと?」