今日は、いよいよ良平とバイトの後に食事に行く日。



母には『バイトの人たちが私の歓迎会をしてくれる』と、初めて嘘をついた。

母に言っても父の耳に入るのが、我が家では当たり前のこと。

もし今日のことを正直に言っても、きっと父にバレてしまうだろう。

だから女同士の会話も、無駄なことは一切話さないようにしている。



今日までに、バイトは数回入っていた。

もう注文の取り方や料理を出すことは、1人で一通り出来るようになっていた。