まるで眠っているようだった。



ほほには涙が流れていて


握り締めている手にはたった一枚の古びた写真


優太と私と翔歌の写真。



私は彼を抱き寄せてひざに乗せた。


冷たくなった体



ねぇ、あなたは幸せでしたか?



「ありがとうね。翔歌」



ねぇどうしてこんなときにだけきれいに輝いているのだろう


「春の夜空に輝く一等星」



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「ねぇ、ゆうちゃん。あの星の名前はね」


「あの星?」

「春に見えるいっとうせいでね」

その星を指差して翔歌は教えてくれた

「スピカって言うんだよ。」

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