宣戦布告したあの日、


確か玲未ちゃんはとても複雑な顔をしていた。


あたしなんかじゃ海翔に想いが届くわけないって想っていそうだった。


「紗、紗樹いいい!どうしよお。」


「宣戦布告とかないわあ。しかも、付き合ってないんでしょ?玲未ちゃんと海翔。」


「うん。でも、やっぱ・・・さあ!」


あたしにとってあの宣戦布告はある意味告白になってしまったのかもしれない。


あれが、海翔に告げ口されたらどうなるのか不安だ。


もしかしたら、「俺はお前が好きだ。」ってなっちゃうかもしれない。


よりを戻すかもしれない。


そんなの・・・・そんなの・・・・


「いやああああああああああああああああ!!」


「・・・・・・葵・・・・・・。」


もう、泣こう。


「うえっ・・・・うっ・・・ック・・・」


大好きなのに、諦めたくないのに、


玲未の存在があたしを壊す。


・・・・あたしなんか海翔と付き合ってもいないのに。


勝手に妬いて、


勝手に泣いて。


本当馬鹿みたいな話だ。


「ねえ、葵!泣かないで?可能性あるって!」


・・・・・可能性ある?


そんな余裕あたしにはない。


妬いても、泣いても意味がない。


「可能性」は自分で生み出さなきゃ。


生まれないのなら、生み出すんだ。


ここで、諦めないで・・・・


葵!葵!


絶対、思いは届くから。


「可能性」


生み出してやろうじゃん?