話したコトもない人を好きになるか。


そこが悩む大きな点だった。


仲イイ友達から、恋に発展するのが、


今までのあたしの恋のパターン。


話したコトはないし、目も合わない。


こんなの恋っていえるのか。


カッコイイから一目ぼれ?


とも思ったけど、海翔はイケメンではなかった。


それは、誰もが思うコトで、あたしもだった。


でもなぜだろう。


顔じゃない。顔じゃないけどカッコイイ。


中身も知らない。でも、カッコイイ。


あたしは何かに引き寄せられていた。


「好きな人にしかドキドキしないよね?紗樹。」


「気持ちにもよるけど、恋って自分で気づくと思うよ?」


ああ。そうか。


あたしは、自分の恋のパターンで好きな相手を決めていただけ。


まさか、こんなコトになるとは思わなかったから。


話したコトもない人を、


好きにいなる分けないと思っていたから。


でも、


実際今、海翔に心が向かってる。


恋じゃん?これ。


話したコトもない人を、


好きになってしまった。


「あたし、好きな人できちゃった。」


まだまだ軽い気持ちだった。


そう、あの頃は知らなかったのだから。


これから、


涙が止まらないほどの、


切ない恋が始まるコトを。