「紗樹・・・。聞いて?ごめんね。」


全てを改めると決心したあたしは、紗樹に謝っている。


紗樹はあたしを見て、つんとしている。


そんな紗樹を見て、


あたしはしゅんとした。


「別にいいよ。本当の気持ちに気づいたんなら。・・・あたしもゴメン。」


紗樹は涙ぐみながら強気に言った。


あたしはその横顔にほほえんだ。


「ありがとう。これからもよろしくね?」


「葵・・・。ごめんね!よろしくだよおお。」


紗樹と抱き合う。


友情はこんな簡単にくずれちゃいけなかった。


でも、くずれちゃうくらい紗樹があたしを気にしてくれたってコト。


それは、何にも変えられない友情の証。


「あたしこれから、フるから。」


南との別れだった。


あたしの本当の気持ちを告げると決意したから。


「うん!頑張ってね。応援してるから・・・。」


そういって紗樹はあたしの背中を強く押した。


あたしは押されて前に出る。










「南。」


いつもと違う低い声で南に話しかけた。


「なに?葵?」


そこにいるのは普通の南。


愛し合った南。


涙が出る。


この笑顔を失いたくない。


「大切な友だち」として、この人を裏切れない。


「なんで泣くんだよ・・・。」


心配してくれる南。


困った顔はあたしには苦しかった。


でも、告げなきゃいけないから。


「南、別れよう。」


「え・・・・?」


もう2度と、この気持ちを見失わないために。