中学2年生の秋。


あたし、宮坂葵は友達は多いほうで、個性的なキャラで結構人気者だった。


周りは恋愛モード全開で、カップルがいっぱい。


そんな周りに憧れて、「恋したいなあ」って思う。


「付き合ってみたいなあ」って思う。


普通の中学生の好奇心。


とにかく好きな人が欲しい。


そんな、軽い気持ちだった。










「葵!陸上記録会の結果見に行かない?」


違うクラスの部活仲間、小村紗樹。


「いいよ。あたし載ってるかなあ?」


陸上記録会は、6つの陸上種目の成果で、


上位10位までランキングに載ることができる。


あたしは去年は4種目載っていて、1年生にして良い結果だった。


あの結果で、馬鹿なあたしが定期テストで10点とっても、


通知表で4をとることができたのだから。


「すごいじゃん!葵全部載ってるよ!」


「え!?まじ!?・・・・・わあ!やったあ!!!!!」


しかも、どの種目もトップ5にはいっていて、


最高に嬉しかった。


「葵、バスケ部なのにねえ。尊敬。」


そんな紗樹も1位になっている種目があった。


1位はとれなかったあたしからしてみれば、


紗樹のほうがすごく感じる。


「紗樹のほうがすごいってば!」


笑いながら褒めあうあたしたち。


何もかもが上手くいっていて、


満足してないコトなんて、ほとんどなかった。


「男子ですっごい人いるんだけどおおお。」


そういって紗樹が指をさした。