あたしは矢崎組と血がつながっているという事実よりも――… 矢崎組があたしを後継者として欲しがってるという事実よりも――… 礼央に裏切られたことのほうがツラかった。 一緒にすごした日々が、全部ウソだった、っていわれてるみたいで。 「悪かったな」 そういった礼央の声が届かないくらい、あたしは心を閉ざした。