目の前にいる彼女は、入学当時から目立っていた。

理由は可愛いから。

そして………かなりのブリッ子だから。

それを隠そうともしないのが、ある意味、潔い。

「ええっと、ゴメン。あなたと関わった記憶が無いんだけど…」

「えっ…。…そうなんですか」

彼女は見て分かるほどに落ち込んだ。

「ゴメンね。でも言ってくれたら思い出すかも…」

「あっ、はい! 実はですね!」

…立ち直りの早いコだ。

そして彼女が言うには一ヶ月前、学校の帰り道でしつこくナンパされていたところを、アタシが助け出したという。