あたしがそう叫んだ時、少し、諒が笑った気がした。 ラスト15秒… 敵からボールを奪い取り、1人でドリブルで敵を抜き去る。 観客たちの眼差しに期待がこもる。 そして…… ドォーン! リングにボールを叩き付ける、けたたましい音が響く。 …ダンクシュート、初めて見た。 それと同時に試合終了のブザーが体育館中に響き渡る。 「うぉぉぉ!」 湧き上がる歓声、熱気に包まれた体育館… この空気を作ったのは、他の誰でもない、諒。 すごい… すごい以外に何も言葉が出て来ないよ。