諒は腕時計の時間を見せながら少し笑った。 本当だっ…! 「……急がなくちゃ!」 慌てて立ち上がるあたしの腕がパッと掴まれる。 「続きは放課後に……ね?」 パチッとウインクをして、微笑まれる。 「…そっ…そんなのしないよ!」 首を大きく横に振って否定するあたしに、「そっか、残念」と眉を下げた諒。 「……それに今日も委員会の仕事があるから!」 動揺を隠すように出来るだけ大きな声を出す。 それじゃあと言って、掴まれた腕を無理矢理放して逃げるように走った。