君の瞳に映る色

教室の中はカーテンが引かれて
薄暗く棗は思わず目を凝らした。

大きなソファーに腰掛けた玲が
棗を見て待ってたよ、と笑った。

その言葉を合図に
棗は床に下ろされ
両側から腕を拘束される。

玲はゆっくりと立って
棗の方へ近づいてくる。
もう口は塞がれていないのに
喉がからからに乾いて
言葉が出ない。
玲は口の端を上げて
不敵な笑みをこぼした。

「昨日の続きをしようか」

玲の手が棗の頬をなでた。
掠れた声で叫んで
逃れるように棗は顔を背ける。

顎を持って玲は強引に
自分の方へと向かせ
棗の唇を親指でなぞった。
まだ乾き切らない涙で濡れた
睫毛が扇情的だ。

「…たかが苦手なものでしょ?
雷のことは誰にも言わないから」

震える声で棗は呟く。
玲は小さく笑った。

「俺らの弱点は命に関わる。
だから家族にすら言わない。
それを知ったんだ、
仕方ないだろ?」

「好きで知ったわけじゃ
ないわよ!」

思わず声を荒げた棗に、
お嬢様らしい答えだと
玲はまた笑った。