君の瞳に映る色

休みたいという願いは
菖蒲に聞き入れられず
仕方なく棗は学校に来た。

昨日はあまりの恐怖に言葉も
出なかったが冷静に考えれば
人が多いほうがあの男は
襲ってこないかもしれない。
それでも少し緊張して教室に
入ると隣の席は空席だった。

棗は小さくため息を吐いた。

授業中は多少色が減るため
気分は楽になる。
外を見たり別のことに
集中したりして
なんとかやり過ごした。

何日か学校に来ただけで
色の多い状態にも少しは
慣れてきたのかもしれない、
そんなことを考えていたが
昼休みを迎えたときに
その思いは打ち砕かれた。

色の量が格段に増え加えて生徒の
話し声や騒ぎ声が雑音となって
頭にガンガン響いた。

相変わらず隣の席は空席で、
少し油断したのかもしれない。

棗は席を立って教室を出た。