玲はその場に
へたり込んでしまった棗に
棚のグラスに水を注ぎ手渡した。
まだ震えの止まらない手で
棗はグラスを持つ。
そうして2、3口水を飲んだ。
少し落ち着いた様子の棗に
玲は胸をなでおろす。
その途端に罪悪感が
こみ上げてきた。
棗のことだから怒って
掴みかかってくるだろうと
思っていた。
そうしたら冗談でしたと
笑って言うつもりだったのに。
玲は棗の前に膝をついて
真正面から棗を見つめる。
その顔を両手で包むと
棗が身を固くするのがわかった。
構わずに引き寄せて
額をくっつける。
「何もしてないから、安心しろ」
その言葉に棗は
何の反応もなかった。
まだぼんやりと前を見ている。
「俺が起きたらおまえは寝てた
腹も減ったし
そのままにして出てきた。
ただ…その記憶を
いじろうとしただけだ。
効いてないみたいだけどな」
静かな口調で言いながら
玲は苦笑いした。
暗示の効かない
人間がいるとは…、と。
へたり込んでしまった棗に
棚のグラスに水を注ぎ手渡した。
まだ震えの止まらない手で
棗はグラスを持つ。
そうして2、3口水を飲んだ。
少し落ち着いた様子の棗に
玲は胸をなでおろす。
その途端に罪悪感が
こみ上げてきた。
棗のことだから怒って
掴みかかってくるだろうと
思っていた。
そうしたら冗談でしたと
笑って言うつもりだったのに。
玲は棗の前に膝をついて
真正面から棗を見つめる。
その顔を両手で包むと
棗が身を固くするのがわかった。
構わずに引き寄せて
額をくっつける。
「何もしてないから、安心しろ」
その言葉に棗は
何の反応もなかった。
まだぼんやりと前を見ている。
「俺が起きたらおまえは寝てた
腹も減ったし
そのままにして出てきた。
ただ…その記憶を
いじろうとしただけだ。
効いてないみたいだけどな」
静かな口調で言いながら
玲は苦笑いした。
暗示の効かない
人間がいるとは…、と。



