君の瞳に映る色

母親として菖蒲を見たことは
一度もない。

菖蒲のようには絶対ならないと
歳を重ねるごとに
思うようになったが
結局自分は母の決めた道を歩き
母の決めた相手と結婚する。

抗いたい気持ちはあったが
その為にどうするべきかという
手段は持ち合わせていなかった。

そして抗うことが
自由ということにつながるのかも
棗には想像がつかなかった。