感情の色…?

玲は棗の言葉を復唱した。



「人は言葉で平気で
ウソをつくけど
心はウソをつかない。
笑っていても心で怒っている人、
泣いていても心で喜んでいる人、
全部色でわかるのよ」

棗は窓辺に手をついた。




自然が好き。

見たままの色で
わたしを決して騙さない…。



「まぁ、ある意味人の心を
覗いているのかもしれないけど。
考えていることまでは
分からないわ」



棗の髪がゆらゆらと揺れる。


ほんのり月明かりを浴びて
ヴェールを
身につけているようだ。