患者の溢れる待合を通り過ぎ しばらく行くと 認証機付きの扉があった。 暁生がカードを通すと 自動で扉が開く。 続いている通路は来た道と 変わりなかったが 人気はなかった。 歩きながら少しづつ鼓動が 速くなるのを棗は感じた。 玲に会える、その事実が 鼓動を乱す。 受付で暁生が確認すると すでに手術は終わっているようで 病室を案内された。 暁生や柊を通路に残して 棗は1人病室に入った。 白いリネンと微かな薬品の匂い。 小さな病室にはポツンと1つ ベッドが置かれていた。