「派手にやってるな」
廊下の奥から響いた声に玲も
一色も視線を向ける。
薄暗い2階の通路から
櫂斗が姿を現した。
玲からはちょうど手すりが
邪魔をして櫂斗の姿は見えない。
一度聞いただけの声に
全身の毛が逆立つ。
ピリピリと空気が震える。
気がつけば玲は櫂斗へ
飛びかかっていた。
途端に火を吹く銃口。
視界に捕えた櫂斗の姿が
不意に消えた。
天地がひっくり返る。
壁に激しく玲の身体が激突した。
白い壁に血痕が飛ぶ。
「うあぁぁっ」
足を抱えて玲が蹲った。
床に血が滲む。
その様を冷ややかに
見下ろしながら、櫂斗は
玲の肩を足で踏みつけた。
「気分はどうだ?」
呻く玲に薄く笑って
問いかける。